インテリアを決めるために欠かせない! アンティークチェアの種類

アンティークチェアとひとくくりに言っても、作られた年代、国、様式によって、さまざまなデザインがあります。ここでは、代表的なアンティークチェアのスタイルと特徴をご紹介します。

アンティークチェアの種類

アンティークはフランス語で「骨董品」を表し、はじめは古代ギリシャやローマの貴重な美術品などのことを呼んでいました。

本格的なアンティークには、世界貿易機関(WTO)が採用する規定があって、「製造された時点から100年以上経過した手工芸品、工芸品、美術品」がアンティークとされています。それより若いものは、ジャンクやヴィンテージなどという名称で区別して呼びますが、ここでは製作年代にこだわらず、様式別に人気の高い種類をご紹介します。

ヴィクトリアンスタイル
ヴィクトリア女王の治世、黄金期の大英帝国に生まれたインテリア様式が、ヴィクトリアンスタイルです。
中でも「チェスターフィールド」は、ヴィクトリアンスタイルの代表的なアームチェア。落ち着いた堅牢さを愛する、イギリスらしいデザインです。肘掛けと背もたれが同じ高さで、皮を鋲留めしています。

ロココスタイル
ヴィクトリアンスタイルが大英帝国の様式なのに対し、ロココスタイルはフランスの宮廷で愛された華麗な様式。ロココスタイルのチェアは、うねるような美しい曲線と、猫や山羊の爪先をかたどった細い脚、優美なジャガード織りのファブリックが特徴です。
中でも、「ルイ15世」と呼ばれるアームチェアはロココの至宝と言われ、アンティーク好きの憧れの的となっています。

ヴェネチアンスタイル
イギリスのヴィクトリアンスタイル、フランスのロココと並んで人気が高いのが、ヴェネチアンスタイル。手仕事での物づくりを得意とするイタリアの、職人技から生まれる華麗な装飾スタイルです。
繊細で圧倒的な彫刻と、グラマラスなフォルム、艶やかな色彩のファブリック使いが特徴的。透かし彫りや象嵌(ぞうがん)細工など、手仕事ならではの細やかな装飾が魅力です。

ミッドセンチュリースタイル
アンティークチェアの中でも比較的新しいのが、20世紀半ばにアメリカを中心にデザインされた、ミッドセンチュリースタイルです。近代的でデザイン性の高いフォルム、明快でポップな色合い、プラスチックやスチールなど軽快でクールな素材使いが魅力。北欧風インテリアや、カフェ風インテリアのアクセントとして人気があります。

インテリア決めにおけるアンティークチェアの重要性

インテリア空間の印象は、家具によって大きく変わります。何もない部屋に事務椅子を置けば、殺風景な景色になりますが、アンティークチェアを置くと上質な空間が生まれます。それはアンティークチェアが持つ伝統的なデザインや、丁寧につくり込まれた装飾が独特のオーラを放つからなのです。

まずは、主役のアンティークチェアを置く。それから、チェアに合わせて周囲をつくり上げていくと、こだわりのある素敵な空間になるでしょう。

アンティークチェアの選び方

つくりたい空間のテーマキーワードを決めて、それに合ったアンティークチェアを選んでみましょう。以下で、いくつかのテーマごとにアンティークチェアの選び方を紹介します。

ラグジュアリー
贅沢な空間をつくるなら、優美な「ロココスタイル」や華麗な「ヴェネチアンスタイル」のアンティークチェアが断然おすすめです。サテンやベロア素材のクッションを配して置くのも良いでしょう。

クラシカル(男性的)
古き良き時代に紳士が集ったクラブのような重厚なインテリアには、なんと言っても「チェスターフィールド」。ソファのほかに、アームチェアをチークやローズウッド材のデスクと組み合わせて渋めに。

シャビーシック
穏やかなシャビーなら「ロココスタイル」、重厚感を出すなら「ヴィクトリアンスタイル」のソファを置きます。空間にあまり広さが無い場合は、アームチェアを置いてコーナーをつくりましょう。いずれの場合も色は白や、白に近いニュートラルな淡色を選ぶのがシャビーシックのポイントです。

クールモダン
硬質で現代的なクールモダンの室内には、ミッドセンチュリースタイルの大胆なデザインのチェアが似合います。色は黒、グレー、白などのほか、赤や緑などのビビッドカラーを挿し色として使う手法も良いでしょう。

アンティークチェアには、このほかにもたくさんの種類があります。上記に挙げた代表的なチェアを参考に、自分なりの最高のチェアを見つけてみてくださいね。

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