アンティーク家具などに使われる本革の種類

チェスターフィールドソファなど、多くのアンティーク調家具に本革(天然皮革)が使われています。経年変化する本革は、適切な手入れをしていれば、使い込むにつれて素晴らしい風合いになる素材です。ここでは、アンティーク家具に使われる本革について紹介します。

革製品の魅力

本革は、主にソファや椅子の座面の張地などに使われます。本革を使った表面はなめらかで、ほこりやダニがつきにくく、こすれに対して強度があります。

タンニンを使って丁寧になめした革は、高級感あふれる王室のような空間を作り上げる存在感を持ちます。また適度な伸縮性と弾力がある革は、使い込むうちに柔らかく肌になじんでくるのも魅力です。

本革の種類

本革には生後6カ月以内の牛を使う「カーフ」、生後2年以内の牛を使う「キップ」などいろいろな種類がありますが、素材としてはカーフが上質です。カーフの中でも、キズのないきめ細やかな原皮を使いアニリン染料で仕上げた「アニリンカーフ」は、素材の良さがストレートに分かる高級皮革。
これらの本革の中でも、アンティーク家具に使われる本革としては次のようなものがあります。

アンティークレザー
水拭きやオイル塗りなどで、エイジング(経年変化させる)加工を施した革のこと。使い込んだような自然なムラや風合いが特徴です。軽いブラッシュド加工で、銀面(皮革の表面)の層を一部剥離させたものもアンティークレザーに数えられます。

ヴィンテージ・ブライドルレザー
ブライドルレザーは、英国生まれの伝統的な皮革で、ロウが塗り込まれた丈夫な素材です。ブライドルレザーにさらにアンティーク加工を施したのが、ヴィンテージ・ブライドルレザー。伝統的かつ高級な皮革です。

バケッタ製法レザー
近年人気のイタリアンレザー。バケッタ製法と呼ばれるエイジング加工技術で、アンティーク加工した皮革です。

エンボスレザー
型押し革とも呼ばれる、銀面に模様を型押しした本革です。エンボスを付けることでクロコダイル(ワニ)やオーストリッチ(ダチョウ)など、さまざまな獣皮風の表情をつくることができます。

シュリンクレザー
シュリンク加工によって銀面に細かなシワを寄せた皮革。枯れた木を思わせる、渋みのある表情が特徴です。

スエード
牛皮の表面にサンドペーパーをかけて起毛させたもの。なめらかでベルベットのような感触になります。

オイルドレザー
なめした皮に、通常より多くオイルを含ませた皮革です。使うほどに風合いと光沢が深くなります。

革を選ぶ際のポイント

皮革は原皮となる牛の性別や年齢、加工方法などで種類が分かれます。種類によって硬さや柔らかさ、色、耐久性などが異なるので、インテリアの雰囲気や用途、自分の好みに合わせて選びましょう。

たとえば、古びた味わいが印象的なシャビーシックのインテリアに合わせるなら、枯れた木のような雰囲気のあるシュリンクレザーがマッチするはず。

アンティーク家具にはソファをはじめ本革製品が多くあります。雰囲気に合わせた家具を選ぶためにも、基本的な本革の特徴をおさえておきましょう。

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