アンティーク家具に使うこだわりの木材の種類と特徴

アンティーク家具は、製造された国や年代あるいは様式によって、使われる木材が違います。アンティーク調インテリアを楽しむなら、家具に使われる代表的な木材の種類と特徴を知っておきましょう。

木材でアンティーク家具を選ぶポイント

アンティーク家具に使用される木材を見分けるポイントは、「木目」と「色合い」、それに「装飾」です。ただし、家具がペイントされている場合は木目や色合いを見ることができません。

しかし高級なアンティーク家具は、シュラックニスなどで仕上げて木目の美しさが際立つものが多く、ペイントされた家具は土台にパインなど比較的カジュアルな木材を使ったものが多くなっています。

アンティーク家具に使われる木材の種類

「オーク」、「マホガニー」、「ウォールナット」は、高級アンティーク家具に使われる代表的な木材です。そのほか、北欧家具や船の内装などに使われる「チーク」、カントリースタイルに見られる「パイン」などがあります。

オーク
アンティーク家具材として特に有名なオークはヨーロッパに生育する樹木で、古くから家具材として多く使われました。
タンニンを含み、深みのある色合い、木目がはっきりしているのが特徴で、中でも「虎斑(とらふ)」と呼ばれる特徴的な木目は貴重です。材質が堅牢で彫刻に適しているので、彫刻の多いアンティーク家具はオーク材を使ったものが多く見られます。

マホガニー
美しい光沢のある赤褐色の木肌が特徴。マホガニーはセンダン科の常緑樹で、ヨーロッパでは自生しない樹木です。年月を経るごとに色合いを深め、味わいを増す木肌が魅力。
ヴィクトリアン調の家具に多く使われる木材ですが、ワシントン条約で保護される木材となったため、ほぼアンティーク家具にしか見られない木材となっています。

ウォールナット
オークと同様に、ヨーロッパで古くから家具に使われたクルミ科の木材です。オークより温かみのある色合いで、濃茶褐色と褐色が濃淡を描く上品な木目が特徴。

ウォールナットは加工しやすくひずみが少ないので、寄木細工(よせぎざいく)の装飾を施した家具が多くみられます。木の表面の接着性が高く、ペイントや金箔がはがれにくいことから、ロココ時代のペイントをした家具によく使われています。

チーク
チークはマホガニーと並ぶ高級木材で、南アジアや東南アジアにおいて生育します。木目は細かく端整で、すっきりとシャープな色合いです。木質は堅牢で、耐久性や耐水性が高いため、船舶や高級列車の内装にも多用されました。

アンティーク家具の世界では、ヴィクトリアン調のデスクやヴィンテージの北欧家具などにチークを使ったものが多く見られます。

パイン
オーク、マホガニー、チークなどの高級木材に比べると、比較的カジュアルな木材がパイン、マツ科の針葉樹です。うねりや節のある木目が多く、木質が柔らかいため虫に食われることもありますが、長く使う程に風合いが増します。

カントリースタイルの家具に欠かせない木材で、ペイント家具になることも多く、近年人気のシャビーシックな家具はパイン材を使ったものが多く見られます。

木材の加工方法の違い

ここでは、アンティーク家具によく見られる木材の装飾、加工技術について代表的なものをいくつか紹介します。

寄木細工
色合いの違う木材を組み合わせて接着し、紋様にする細工です。テーブルの天板などに装飾として施されます。

象嵌(ぞうがん)細工
これは色目の違う薄板を紋様に切り抜き、台となる木に嵌め込む細工で木象嵌とも言います。タイルや貝を象嵌したものもあります。

スピンドル加工
椅子の脚や背もたれの軸木を、糸紡ぎ棒のような形に削る加工です。アンティークチェアに数多く見られます。

アンティーク家具は、木材によって質感や醸し出す雰囲気が違います。木材の特徴と見分け方を知って、アンティーク家具をもっと楽しみましょう!

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